就労選択支援とは
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「就労継続支援A型で働きたいのに、新しくできた『就労選択支援』を受けなければいけないの?」
「就労選択支援って具体的に何をする場所? 試験や面接のようなもの?」
「アセスメントの結果次第では、希望する事業所を利用できなくなるの?」
障害福祉サービスを利用して働こうと考えたり、今後の進路を調べたりする中で、「就労選択支援」という新しい制度を耳にして、戸惑いや不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、就労選択支援は、利用者を振り分けたり、合否を判定したりするための試験ではありません。
ご本人の「こう働きたい」という希望や得意なこと、体調の変化、働くうえで必要な配慮などを、面談や実際の作業場面での確認を通じて一緒に整理し、自分に合った働き方や就労先を選ぶための支援です。
また、2025年10月に始まった比較的新しい制度であり、対象となる方の範囲は段階的に広がっています。2026年10月現在、すべての就労系障害福祉サービス利用者に必須となっているわけではありません。
この記事では、就労選択支援の基本的な仕組みから、対象者と適用時期、アセスメントで実際に行う内容、利用期間・費用、そしてA型やB型との関係まで分かりやすく解説します。
ひと目でわかる就労選択支援の適用状況
就労選択支援が「原則として必要になる方」と「希望に応じて利用できる方」は、利用するサービスや時期によって異なります。
まずは、現在の適用状況を確認しておきましょう。
| 利用するサービス・状況 | 2026年10月現在 | 2027年4月以降の予定 |
|---|---|---|
| 就労継続支援B型を新たに利用する方 | 原則として必要(例外あり) | 原則として必要 |
| 就労継続支援A型を新たに利用する方 | 一律には必須ではない | 原則として必要となる予定 |
| 就労移行支援を新たに利用する方 | 一律には必須ではない | 一律には必須ではない |
| 就労移行支援を標準利用期間を超えて利用する方 | 一律には必須ではない | 原則として必要となる予定 |
| すでにA型・B型を利用している方の継続利用 | 継続利用だけを理由に一律には必須とされない | 継続利用だけを理由に一律に必須となる予定ではない |
※2026年10月時点の公的資料に基づく整理です。B型の利用要件には例外があります。2027年4月以降の具体的な取扱いについては、今後の通知等を確認する必要があります。
なお、「希望に応じて利用できること」と「利用開始前に原則として必要になること」は別の意味です。
原則利用が求められない方でも、今後の働き方を見直したい場合などには、就労選択支援の利用を検討できます。
実際の利用には自治体による支給決定が必要です。
就労選択支援とはどのようなサービス?
就労選択支援とは、どのような背景で生まれ、何を目的としているサービスなのでしょうか。
2025年10月から始まった新しい障害福祉サービス
就労選択支援は、改正障害者総合支援法に基づき、2025年10月(令和7年10月)に開始された障害福祉サービスです。
これまで、障害のある方が就労系サービスを利用する際に、「自分にはどのような働き方が合っているのか分からない」「必要な支援や配慮を十分に整理できないまま利用先を決めてしまった」といった課題がありました。
また、事業所によって仕事内容や勤務条件、支援方法が異なるため、実際に利用を始めてから、希望していた働き方との違いに気づく場合もあります。
就労選択支援は、こうした課題も踏まえ、本人が就労先や働き方についてよりよい選択をできるようにするための制度です。
面談や実際の作業場面などを通じて、本人の希望や就労能力、適性、必要な配慮などを整理し、今後の進路を考えるための情報を提供します。
本人の希望・得意なこと・必要な配慮を整理する
就労選択支援で行うのは、単なる作業能力の測定ではありません。
主に、次のような視点から働くために必要な情報を整理していきます。
希望する働き方
どのような仕事に興味があるか、週に何日・何時間働きたいか、将来的に一般就労を目指したいかなどを確認します。
作業の特徴
集中しやすい環境、作業の正確さ、手順の理解、得意な作業と苦手な作業などを確認します。
健康・生活面の状況
体調の変化、疲れやすい時間帯、生活リズム、通院の状況など、働くうえで関係することを整理します。
必要な配慮や工夫
「口頭だけでなく文章でも指示をもらいたい」「途中で確認する時間があると安心できる」など、働きやすくするための方法を考えます。
例えば、作業のスピードがそれほど速くなくても、手順が明確であれば正確に取り組める方もいます。
一方で、作業自体は得意でも、体調の変化によって長時間続けることが難しくなる方もいるでしょう。
こうした特徴を本人と支援者が一緒に確認することで、自分に合った働き方について具体的に考えられるようになります。
就労選択支援は合否を決める試験ではない
「作業が遅かったら、A型を利用できなくなるのでは?」
「ミスをしたら、B型に行くように言われるの?」
このように心配される方もいるかもしれません。
しかし、就労選択支援は、採用試験や入学試験のように合否を決める制度ではありません。
例えば、作業中にミスが出た場合も、その結果だけで本人の能力を判断するのではなく、どのような原因が考えられるか、どのような工夫や配慮があれば取り組みやすくなるかを確認します。
また、本人の希望を無視して、就労選択支援事業所が一方的に「A型ではなくB型にしてください」と進路を決定する制度でもありません。
アセスメント結果は、本人が今後の働き方を選ぶための参考情報として活用されます。
ただし、希望するサービスを必ず利用できるという意味ではありません。
A型では事業所の採用選考があり、A型・B型・就労移行支援などの利用には、それぞれ制度上の要件と自治体による支給決定が必要です。
本人の希望を大切にすることと、実際に利用できる条件を確認すること。その両方を踏まえて進路を考えていきます。
就労選択支援は誰が利用する?いつから必要?
「自分は今、就労選択支援を受ける必要があるのか?」
ここでは、就労系サービスごとのルールについて詳しく説明します。
B型を新たに利用する方は2025年10月から原則対象
2025年10月から、就労継続支援B型を新たに利用する方については、原則として就労選択支援によるアセスメントが求められています。
ただし、すべての方が対象となるわけではありません。
例えば、次のような方は、就労選択支援によるアセスメントを経ずにB型を利用できる対象に含まれます。
- 50歳以上の方
- 障害基礎年金1級を受給している方
- 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難になった方
これらに該当する場合でも、本人が希望して就労選択支援を利用することは可能です。
また、近隣に就労選択支援事業所がなく、通所が難しい場合や、利用できる事業所が少なく待機期間が生じる場合には、別の取扱いが認められています。
この場合は、就労移行支援事業所等による就労アセスメントを経て、B型の利用につなげる方法があります。
就労選択支援事業所が近くにないからといって、無条件にアセスメントが不要になるわけではありません。
実際にどの方法で手続きを進めるかは、お住まいの自治体に確認しましょう。
A型の新規利用者は2027年4月から原則適用予定
2026年10月現在、新たに就労継続支援A型を利用するすべての方に、就労選択支援によるアセスメントが原則必須となっているわけではありません。
ただし、2027年4月(令和9年4月)からは、新たにA型を利用する方についても、原則として就労選択支援によるアセスメントを求めることが予定されています。
これは、A型の利用を希望する方についても、就労の希望や能力、必要な配慮などを整理し、今後の働き方を考える機会を設けるものです。
現時点でA型の利用を検討している場合は、利用開始を希望する時期に応じて、自治体や事業所に必要な手続きを確認しましょう。
なお、2027年4月以降の具体的な例外や経過措置については、今後の正式な案内を確認する必要があります。
※A型の利用開始までの基本的な手続きについては、就労継続支援A型の利用までの流れで詳しく解説しています。
就労移行支援ではどのような場合に必要になる?
一般企業への就職を目指す「就労移行支援」については、2026年10月現在、新たに利用するすべての方に就労選択支援が原則必須となっているわけではありません。
本人が希望して利用することは可能です。
ただし、2027年4月からは、就労移行支援の標準利用期間を超えて利用する方について、原則として就労選択支援によるアセスメントが求められる予定です。
就労移行支援の標準利用期間は原則2年間ですが、必要性が認められた場合には、自治体の個別判断によって延長が可能となる制度があります。
就労選択支援は、そうした延長の検討に当たり、本人の状況や今後の希望、必要な支援を整理する役割も担うことになります。
※A型と就労移行支援の違いについては、就労継続支援A型と就労移行支援の違いをご覧ください。
すでにA型やB型を利用している方も利用できる?
現在すでにA型やB型を利用している方も、今後の働き方を見直すために就労選択支援を利用できます。
例えば、次のような場合です。
- 今の働き方を見直したい
- 自分の得意・不得意を改めて整理したい
- 一般就労に向けて準備したい
- 別の就労系障害福祉サービスへの変更を考えている
2027年4月から予定されているA型への適用拡大は、主に新たにA型を利用する場合を対象としています。
そのため、すでにA型を利用している方が同じサービスを継続するという理由だけで、一律に就労選択支援を受け直さなければならないというものではありません。
ただし、B型から新たにA型へ変更する場合などは、変更先のサービスを新規に利用する際の要件が関係することがあります。
サービスの変更を検討している方は、相談支援専門員や自治体と確認しながら進めましょう。
就労選択支援では具体的に何をする?
就労選択支援を利用する場合、実際にどのようなことを行うのでしょうか。
就労選択支援では、本人の希望を確認しながら、作業場面でのアセスメント、関係機関とのケース会議、結果の作成、今後の支援に向けた連絡調整などを行います。
標準的な実施過程は、次の4つのステップです。
【STEP1】作業場面等を活用したアセスメント(面談・希望の聞き取りを含む)
↓
【STEP2】関係機関とのケース会議(多角的な意見交換)
↓
【STEP3】アセスメント結果の作成と説明(本人へのフィードバック)
↓
【STEP4】今後の進路に向けた連絡調整
なお、本人への情報提供や希望の確認は、最初の面談だけでなく、利用期間を通じて行われます。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
STEP1|面談や作業体験を通じて本人の状況を確認する
まずは、就労選択支援事業所の担当職員と面談を行い、現在の状況や希望を確認します。
例えば、次のような内容です。
- 現在の生活リズムや体調、通院の状況
- これまでの職歴や作業経験
- 得意なこと・苦手なこと
- 興味のある仕事や希望する働き方
- 週に何日・何時間程度働きたいか
- 仕事をするうえで心配していること
また、A型・B型・就労移行支援や一般就労など、地域で利用できる就労支援や働き方について情報提供を受け、どのような選択肢があるかを確認します。
そのうえで、実際の作業場面を活用したアセスメントを行います。
例えば、次のような作業です。
PC作業
データ入力、文章の入力、リスト作成など。
軽作業
書類の仕分け、封入・梱包、検品など。
実際に行う作業は、事業所の実施方法や本人の状況によって異なります。また、作業体験の実施日数や時間も一律ではありません。
作業アセスメントでは何を確認する?
作業では、単に速さや正確さを測るだけでなく、次のような点を確認します。
- 手順書を見ながら作業を進められるか
- 口頭説明と文章による説明では、どちらが理解しやすいか
- どの程度の時間、集中して作業に取り組めるか
- 疲労によって作業の進め方に変化があるか
- 分からないことがあったときに質問・相談できるか
- どのような配慮があればミスを防ぎやすいか
例えば、データ入力を行う場合を考えてみましょう。
入力速度はそれほど速くなくても、二重チェックの仕組みがあれば正確に作業できる方がいます。
また、長い文章の入力は負担になりやすくても、決まった形式のデータ入力であれば安定して取り組める方もいるでしょう。
反対に、作業の正確さや速度には問題がなくても、長時間続けると疲労が強くなる場合もあります。
こうした特徴から、**「本人がどのような条件や支援のもとで力を発揮しやすいか」**を整理していきます。
就労選択支援では、できることだけでなく、難しいことや必要な配慮も大切な確認項目です。
STEP2|関係機関とのケース会議で状況を整理する
作業場面などで確認した内容を踏まえ、関係機関との「ケース会議」を行います。
ケース会議には、ご本人や就労選択支援事業所の職員、相談支援専門員、自治体や就労支援機関の担当者など、必要な関係者が参加します。
本人の状況によっては、医療機関や教育機関などと連携する場合もあります。
すべての機関が必ず参加するわけではなく、本人の状況や支援内容に応じて必要な関係者が参加します。
会議では、次のような内容を整理します。
- 本人がどのような仕事や働き方を希望しているか
- 作業場面で確認できた強みや課題
- 働くうえで必要な配慮
- 今後の進路に向けて必要な準備や支援
- 関係機関がどのように連携できるか
例えば、本人がA型で働きたいと希望している場合、どのような仕事に関心があるか、現在の勤務可能な時間はどの程度か、どのような配慮があれば働き続けられそうかなどを話し合います。
ここでも大切なのは、本人の希望や意思を確認しながら、今後の選択肢を考えることです。
ケース会議は、支援者だけで進路を決めるための場ではありません。
また、個人情報を関係機関へ共有する際には、本人の同意など必要な手続きを踏んで行います。
STEP3|アセスメント結果を作成し、本人へ説明する
面談や作業場面での確認、ケース会議での意見などを踏まえ、「アセスメントシート」などに結果をまとめます。
アセスメントシートとは、本人の強みや課題、必要な配慮、今後の支援に向けた考え方などを整理した資料です。
例えば、次のような内容が記載されます。
得意なこと
「決まった手順に沿った作業を、集中して正確に進められていました」
負担になりやすいこと
「長時間作業を続けると疲労が強くなり、確認漏れが増える傾向が見られました」
必要な配慮
「作業途中に短い休憩を取れる環境や、確認しやすい手順書があると安定して取り組めると考えられます」
今後の働き方に向けた考え方
「希望する仕事に取り組むために、勤務時間への対応や作業手順の理解について確認・準備を進めることが考えられます」
このように、作業場面で確認できた内容と、そこから考えられる支援方法を整理します。
作成した結果は本人にも説明・提供され、今後の進路を考えるために活用されます。
なお、使用する様式は一律ではありません。名古屋市では、国の実施マニュアルで紹介されている「就労支援のためのアセスメントシート」を標準的な様式として案内しています。
アセスメント結果は本人や相談支援事業所等に共有されますが、関係機関との共有については情報の内容や必要な同意などを確認して行います。
また、結果が作成されたからといって、その内容だけで利用先が自動的に決まるわけではありません。
本人が結果を理解し、自分に合った働き方を考えられることが大切です。
STEP4|今後の進路に向けた連絡調整を行う
アセスメント結果を踏まえ、今後の進路や必要な支援について検討します。
例えば、次のような選択肢があります。
- 就労継続支援A型で働くことを検討する
- 就労継続支援B型で生産活動に取り組むことを検討する
- 就労移行支援で一般企業への就職準備を進める
- ハローワーク等の支援を活用し、一般企業への就職を目指す
本人が希望する進路や必要な支援に応じて、相談支援事業所、自治体、障害福祉サービス事業所、就労支援機関などと連絡調整を行います。
その際、就労選択支援で整理した情報を、次に利用するサービスの支援計画などへ生かすこともできます。
ただし、就労選択支援を受けただけで、次のサービスの利用やA型事業所での採用が自動的に決まるわけではありません。
各サービスの利用要件を確認し、必要な手続きを進めることになります。
就労選択支援の利用期間・費用はどれくらい?
就労選択支援は、長期間の職業訓練を行うサービスではなく、比較的短い期間で今後の働き方を考えるためのサービスです。
利用期間は原則1か月
就労選択支援の支給決定期間は、原則として1か月です。
ただし、自己理解を深めるために継続的な作業体験等が必要と認められる場合には、一定の要件のもとで2か月となることもあります。
利用期間の中で、面談や作業場面での確認、ケース会議、アセスメント結果の作成・説明、関係機関との調整などを進めます。
なお、「利用期間が1か月」というのは、必ず1か月間毎日通所しなければならないという意味ではありません。
具体的な利用日数や実施スケジュールは、本人の状況や事業所の実施方法、必要な支援内容などを踏まえて調整します。
また、就労選択支援は、就職先が決まるまで何か月も通い続けるためのサービスではありません。
アセスメント結果を今後の進路選択や必要な支援につなげることが目的です。
利用料はかかる?無料になる条件は?
就労選択支援も障害福祉サービスであるため、所得状況に応じた「利用者負担(利用料)」の仕組みが適用されます。
障害福祉サービスでは、原則としてサービス費用の1割を負担する仕組みですが、所得区分に応じた負担上限月額が定められています。
生活保護世帯・住民税非課税世帯
利用者負担上限月額は0円です。
住民税課税世帯
所得区分に応じて負担上限月額が設定され、その範囲内で利用者負担が発生する場合があります。
なお、18歳以上の障害者については、原則として本人と配偶者を所得判定の対象となる世帯の範囲とします。
そのため、親と同居しているという理由だけで、親の所得が自動的に合算されるわけではありません。
また、名古屋市のように独自の負担軽減措置を設けている自治体もあります。
実際の利用者負担額は、自治体による支給決定や本人の所得状況、適用される軽減措置などによって異なります。
※利用者負担や世帯判定の詳しい仕組みについては、就労継続支援A型の利用料はいくら?をご覧ください。
就労選択支援を受けるにはどうすればいい?
実際に就労選択支援を利用したい場合や、利用が必要となる場合の手続きを確認しておきましょう。
まずは自治体や相談支援事業所に相談する
就労選択支援を利用したい場合は、まずお住まいの自治体や相談支援事業所などに相談します。
主な相談先は次のとおりです。
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口
名古屋市の場合は、各区役所福祉課または支所区民福祉課が窓口です。
現在利用している相談支援事業所
担当の相談支援専門員がいる場合は、利用に必要な手続きや関係機関との調整について相談できます。
利用を希望しているA型・B型事業所
見学先の事業所へ、就労選択支援が必要な対象となるか、手続きをどのように進めればよいか相談することもできます。
「就労選択支援を受けたい」「利用が必要な対象かどうか知りたい」と伝え、地域で利用できる事業所や申請方法を確認しましょう。
なお、就労選択支援事業所の受入状況や対応地域などは異なるため、希望する時期に必ず利用できるとは限りません。
名古屋市では、障害福祉サービスの情報を提供する「ウェルネットなごや」などから事業所情報を確認できます。
受給者証の申請と利用開始までの流れ
就労選択支援を利用するためには、自治体による支給決定を受け、障害福祉サービス受給者証の交付を受ける必要があります。
一般的な流れは次のとおりです。
STEP1|利用相談
自治体窓口や相談支援専門員に、就労選択支援の利用を相談します。
STEP2|申請・計画案作成
障害福祉サービスの支給申請を行い、必要なサービス等利用計画案を作成・提出します。
STEP3|支給決定・受給者証の交付
自治体による支給決定を受け、受給者証が交付されます。
STEP4|事業所との契約・利用開始
就労選択支援事業所と契約を結び、面談や作業場面での確認などを始めます。
実際には、相談支援事業所との調整や、事業所の受入状況などによって手続きの順序が前後する場合があります。
また、就労選択支援の利用後にA型やB型などを利用する場合には、別途、そのサービスについての支給決定や必要な契約手続きが行われます。
希望するA型・B型事業所が決まっている場合は?
「すでに働きたいA型事業所が決まっているのに、就労選択支援を受ける必要があるの?」
このように感じる方もいるかもしれません。
希望する事業所が決まっている場合は、そのことを就労選択支援事業所の担当者に伝えましょう。
例えば、パソコン作業が中心のA型事業所を希望しているのであれば、現在のPCスキルに加えて、勤務時間への対応や作業手順の理解、必要な確認方法などについて整理することができます。
実際にアセスメントでどのような作業を行うかは就労選択支援事業所の実施方法等によって異なりますが、希望する働き方についての情報は、今後の支援を考えるための材料になります。
大切なのは、希望する事業所に入るためだけの評価ではなく、「希望する働き方を継続するために、どのような準備や配慮が必要か」を整理することです。
なお、A型で働くためには、その事業所の採用選考と、自治体によるA型の支給決定が別途必要となります。
就労選択支援を受けた後はどうなる?
アセスメントが終了した後の進路についても確認しておきましょう。
A型・B型・就労移行支援などの利用を考える
就労選択支援の結果を踏まえ、ご自身の希望と照らし合わせながら今後の進路を検討します。
例えば、次のような選択肢があります。
就労継続支援A型
雇用契約を結び、必要な支援を受けながら、実際の仕事に継続して取り組むサービスです。
就労継続支援B型
原則として雇用契約を結ばず、本人の状況に応じて生産活動などに取り組むサービスです。
就労移行支援
一般企業等への就職を目指し、職業訓練や企業実習、就職活動の支援を受けるサービスです。
一般就労
ハローワークなどの就労支援機関を活用し、一般企業への就職を目指す方法です。
どの選択肢が適しているかは、本人の希望や現在の状況、必要な支援、制度上の利用要件などによって異なります。
※A型とB型の詳しい比較については、就労継続支援A型とB型の違いをご覧ください。
希望する進路とアセスメント結果が異なった場合は?
もし、ご自身が希望していた進路と、アセスメントで整理された内容や支援者からの提案が異なった場合はどうなるのでしょうか。
例えば、本人は週5日勤務のA型を希望しているものの、作業アセスメントでは疲労が強く見られ、現在の体調では継続的な勤務に不安があると整理された場合です。
そのような場合でも、就労選択支援事業所の職員が一方的に進路を決定することはありません。
本人と支援者が、次のようなことを話し合います。
- なぜそのような結果や提案になったのか、理由を確認する
- 自分がA型で働きたい理由や生活上の事情を改めて伝える
- どのような工夫や配慮があれば、希望する働き方に近づけそうかを考える
- 現在の体調に合った別のサービスや働き方も選択肢として検討する
例えば、勤務日数を相談できるA型事業所を探すことや、B型で活動しながら今後のA型利用を考えることなども、状況に応じた選択肢となる場合があります。
ただし、希望する条件での勤務やサービス利用が必ず認められるわけではありません。
大切なのは、本人の希望を一方的に否定するのでも、現在の課題を無視するのでもなく、希望する働き方に向けて何が必要なのかを一緒に考えることです。
結果を今後の仕事や支援に生かす
就労選択支援で作成されたアセスメント結果は、次の事業所で働き始めた後にも役立てられます。
例えば、次のような情報です。
- 得意な作業や取り組みやすい仕事内容
- 苦手な作業や負担になりやすい状況
- 理解しやすい指示の出し方
- 疲労や体調の変化が現れやすい場面
- 困ったときの相談方法
- 必要な配慮や自分でできる対処
本人の同意や必要な調整を踏まえて、これらの情報を次の事業所と共有することで、利用開始時の支援方法を考えやすくなります。
例えば、「口頭だけの説明よりも文章の手順書があると理解しやすい」ということが分かっていれば、仕事を始める際の指示方法を検討する材料になります。
また、「一定時間を超えると疲労が強くなる」という特徴が分かっていれば、休憩や業務の進め方について相談しやすくなるでしょう。
ただし、アセスメント結果に書かれた内容が、そのまま就職先の配慮や勤務条件として必ず実現されるわけではありません。
実際の仕事内容や職場環境、本人の状況などを踏まえて、具体的な支援方法を考える必要があります。
アセスメント結果は、一度きりの評価で終わらせるのではなく、働き始めた後も自分に合った働き方を考える材料として活用することが大切です。
就労選択支援について、よくある質問
Q1. 就労選択支援では、試験や面接に合格する必要がありますか?
A. いいえ。就労選択支援は合否を決める試験ではありません。
面談や作業場面での確認は行いますが、目的は本人の希望や得意なこと、必要な配慮などを整理することです。
作業の速度や正確さだけで進路を判断するものではありません。
普段の自分の状態や、仕事をするうえで困っていることなども伝えてみましょう。
Q2. 就労選択支援の結果で、A型を利用できないと言われることはありますか?
A. 就労選択支援事業所が、A型を利用できるかどうかを一方的に決定することはありません。
アセスメント結果は、今後の進路や必要な支援を考えるための参考情報です。
ただし、実際にA型を利用するには、事業所の採用選考と自治体による支給決定が必要です。
Q3. 50歳以上でB型を希望する場合も就労選択支援が必要ですか?
A. 50歳以上の方は、就労選択支援によるアセスメントを経ずにB型を利用できる対象に含まれます。
ただし、B型の利用には自治体による支給決定が必要です。
また、50歳以上の方でも、本人が希望して就労選択支援を利用することは可能です。
Q4. すでにA型で働いている場合も就労選択支援が必要になりますか?
A. 同じA型サービスを継続して利用するだけで、一律に就労選択支援の利用が必要になるというものではありません。
2027年4月から予定されている適用拡大は、主に新たにA型を利用する場合が対象です。
ただし、B型からA型へ変更する場合などは、新規利用時の要件が関係することがあります。
最新の取扱いについては、自治体や相談支援専門員に確認しましょう。
Q5. 就労選択支援を受けるのに受給者証は必要ですか?
A. はい。就労選択支援は障害福祉サービスであるため、自治体による支給決定と受給者証が必要です。
利用を希望する場合は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所に相談しましょう。
Q6. 就労選択支援を受けたら、必ず一般企業へ就職しなければなりませんか?
A. いいえ。一般企業への就職だけを目指す制度ではありません。
就労選択支援は、A型・B型・就労移行支援・一般就労など、さまざまな働き方や進路を考えるためのサービスです。
本人の希望や現在の状況、必要な支援を踏まえて、自分に合った選択肢を検討します。
※その他の疑問については、よくある質問(FAQ)もあわせてご覧ください。
自分に合った働き方を考えるために、就労選択支援を活用しよう
就労選択支援について、大切なポイントをまとめます。
- 就労選択支援は2025年10月に始まった障害福祉サービスです。
- 合否を決める試験ではなく、本人の希望や強み、必要な配慮を整理するための制度です。
- B型の新規利用では、2025年10月から原則として就労選択支援によるアセスメントが必要です。ただし例外があります。
- A型の新規利用では、2027年4月から原則として適用される予定です。
- 利用期間は原則1か月です。一定の場合には2か月となることもあります。
- 生活保護世帯や住民税非課税世帯は、障害福祉サービスの利用者負担上限月額が0円です。
- アセスメント結果は、次の職場で必要な支援や配慮を考えるための材料にもなります。
制度の名称だけを聞くと、難しく感じられるかもしれません。
しかし、就労選択支援は、本人の希望や現在の状況を整理し、自分に合った働き方や必要な支援について考えるための制度です。
給与を得ながら仕事を続けたい方もいれば、まずは短い時間から活動したい方、将来的に一般企業への就職を目指したい方もいるでしょう。
大切なのは、どの働き方が優れているかではなく、今の自分にはどのような仕事や支援が必要なのかを理解することです。
できることも、難しいことも、必要な配慮も、一つずつ整理しながら、納得できる働き方を考えていきましょう。
じぶんスペースではA型の見学・利用相談を受け付けています
名古屋市中区の就労継続支援A型事業所「じぶんスペース」では、見学や利用相談を受け付けています。
※じぶんスペースは就労継続支援A型事業所であり、就労選択支援事業所ではありません。
じぶんスペースは、雇用契約を結んで実際の仕事に取り組みながら、自分に合った働き方や、その先の働き方について考えていく職場です。
企業からの受託業務やグループ企業との連携を通じて、主に次のような仕事に取り組んでいます。
- PC・データ入力・事務作業
- Webサイト制作・更新、文章作成
- 画像・動画編集
- EC・商品管理
- 春日井工場など関連企業での施設外就労
実際の業務を通じて、仕事に必要なスキルや報告・連絡・相談、期限管理などを身につけるとともに、自分の得意・不得意や必要な配慮を整理することも大切にしています。
基本的な勤務条件は、原則として平日週5日・1日実働4.5時間です。
「A型ではどのような仕事をするのか見てみたい」
「今の自分の状態でA型の勤務条件に対応できるか相談したい」
「就労選択支援とA型の利用手続きについて確認したい」
このようなご相談も受け付けています。
ご本人だけでなく、ご家族や支援機関・医療機関の方の同席も可能です。
利用を決める前でも構いません。
まずは実際の職場を知り、ご自身に合った働き方を考えるところから始めてみませんか。
参考資料
- 厚生労働省|就労選択支援について
- 厚生労働省|就労選択支援の実施について(令和7年9月30日改正)
- 愛知県|就労選択支援について
- 名古屋市|就労選択支援事業における就労アセスメントの様式について
- 名古屋市|就労選択支援対象者のアセスメント実施報告書(2026年4月以降)
※この記事は2026年10月時点の制度・公的資料をもとに作成しています。就労選択支援の対象範囲や例外、2027年4月以降の適用基準、手続きの詳細は、自治体や個別の状況によって異なる場合があります。最新の取扱いについては、お住まいの市区町村窓口(名古屋市の場合は区役所福祉課・支所区民福祉課)へご確認ください。
