自分の意見を言えず、他の人よりも劣っているような情けない気分になったり、自己嫌悪に陥ったりしてしまうこと、ありませんか?
仕事では、自分の意見が言えた方が断然有利なはずなのに、日本には「空気を読む」という言葉があるように、周囲に気を遣って敢えて言葉を発しないことが美徳とされる文化が根付いてしまっています。
一方で、言いたいことを我慢していると、ストレスが溜まって健康にも悪いですし、なにより、周りから意見が言えない=“何も考えていない”と、思われてしまっていても不本意です。
ここでは、職場で意見を言うことが苦手な人が少しでも意思表示できるようになるための、とっておきのコツを紹介します。
Contents
環境のせい?内面の問題?意見が言えない5つの理由
プライベートでは自分の意見が言えるのに、職場では自分の意見が言えないと悩む人も多いようです。
仕事が絡むと自分の意見が言えない原因には、5つのパターンが考えられます。
1.言いたいことを整理しきれていない、準備不足
頭の回転が速い人は、相手の話を聞くのと同時に自分の主張も組み立てられますが、世の中の、大半の人はそうではありません。
2. 周囲のメンバーなど環境によるもの
発言権の強いメンバーが集まった会議や上下関係が厳しい職場の中では、自分の意見が言えない人が多いようです。その原因として、
- 目立ちたくない
- 嫌われたくない
- 生意気だと思われたくない
- 波風を立てたくない
という、事なかれ主義の心理が働いています。
3.意見を求められていることの知識・スキルが不足している
例えば、マネジメントの知識や経験がないのに、マネジメントを語れないように、入社年次や業務知識が浅い、知見がない場合は、意見を言うことの方が難しいです。
4.業務に対する善し悪しの判断軸が自分の中で定まっていない
社会人経験が浅かったり、会社からの指示を言われた通りにこなしているだけだと、時に目的を見失ってしまったり、物事の善し悪しが判断つかなくことがあります。
5.デリバリースキルが低い
デリバリースキルとは、人に伝える技術のことです。意見は発言するだけではなく、受け手に伝わるように話すことが大事なのですが、デリバリースキルがないと、支離滅裂で何を伝えたいのか分からない、意見にならない発言になります。
職場で意見が言えるようになることでのメリット・デメリット
自分の考えを話せるようになると、
- 自分を尊重できる
- 周りとの関係構築につながる
- 仕事をコミット感が高まる
- キャパ以上の仕事を引き受けないので余裕が生まれる
などのメリットがあります。一方で、自分の意見を言うことでのデメリットはメリットの裏返しといえます。
自分の意見を言うために、周囲がこっそり心がけていること
意見が言えない人もいる中で、職場には言いたいことを忌憚なく発言している人もたくさんいます。
でも、意見を言える人を観察してみると、皆さん努力されています。ここでは、周りの人がこっそり心がけていることを紹介します。
言わないでおくことでのデメリットを考えている
意見が言える人は、言うことのデメリット以上に、言わないことでのデメリットも考えています。
- ストレスがたまる
- 仕事が今日中に終わらせられない
- プロジェクトの進捗が滞る
- 風通しの良い職場にならない
など、広い視野で物事を見ている傾向があります。
事前準備として、自分の意見と理由を考えておく
堂々と意見を言える人は、常に自分の意見を考えています。
とっさに自分の意見が言えない人は、常に色々な状況を妄想し、こんな時にはどう切り返すか、この場合には自分ならどう発言するかをシミュレーションして備えています。
初めから意見を言いやすい環境を作っておく
意見の通りやすい人は、上司からの頼まれごとや会議などの意見の言いにくい場面でも、
- 自然な笑顔や相槌を打つ
- 相手の目を見て話す
など、オープンな話ができるような環境を作っています。
意見は相手に受け止めてもらうもの。デリバリースキルを高めるコツ
せっかく声に出した意見も、言いっぱなしになったり、周りからスルーされたら悲しいですよね。
ここでは、相手に受け止めてもらうための、ちょっとした工夫をご紹介します。
1.意見を言う前に、前提を確認・質問する
あなたの意見は相手の立場からすると、批判と捉えられ、受け入れられないこともあるかもしれません。
そんな時は、意見を言う前に「そもそも」の前提を確認してから意見が言えるようになると、相手にも届きやすくなります。
「実は・・・」といった背景が聞けるかもしれませんし、今まで誰も思いつかなかった案だとしても、相手は一方的に責められている感じには受け取りません。
また、自分ばかり仕事を押し付けられて困っているというような時も、「私にばかり業務を振らないでください!」と一方的に伝えるよりも、「いつも私にご依頼いただいているように感じていますが、、」と前置きを伝えた方が、
- ○○の業務はあなたが担当だと思っていた
- すでに○○さんに依頼したけど断られてしまっていた
など、相手の抱えている状況や前提を知るきっかけにもなります。
枕詞をつけて相手への配慮を見せる
自分の意見を言うときは、
- もしかすると、今までどなたが提案しているかもしれませんが
- 失礼な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが
などの相手の立場への気配りや状況への前置きがあると、相手も聞く姿勢を保てるようになります。
受け入れやすい、やわらかい口調を心がける
人前で意見することに慣れていないと、緊張して表情が硬くなったり口調が強くなったり、早口で聞き取りにくい発言になりがちです。
そのため、はたから見ると怒っているように思られ、コミュニケーションミスにつながる可能性があります。
否定的な意見は、代替案まで考えて発言する
目的に照らして考えてみると、時には否定的な意見を言わないといけない時もあります。でも、否定的な意見の言いっぱなしは批評家に映り、周りからも好ましく思われません。
勝ち負けや自分の意見を通すことに固執しない。目的から考える
自分の意見を無理に押し通そうとすると、目的を見失い、些末な論点や枝葉の話に埋没してしまうことがあります。
いろんな意見があって当たり前という職場風土にしよう
学校では、いつも問題の正解を導いていましたが、仕事には正解はありません。
正しい、間違っているで判断してしまいがちですが、あなた自身が様々な意見を受け入れようという姿勢で過ごすことは、周囲への良い影響につながります。
なお、物事の善し悪しを判断する軸を持つためには、日頃から次のステップで自問自答する習慣をつけることをおすすめします。
- 何のためにそれがあるのか
- それをやるとどんな良いことがあるのか
- 私はどう思うのか
を常に考えてみてはいかがでしょうか。
自分の意見と反することをして失敗したときの後悔ほど、悔しいことはありません。自分の意見が反映されたうえで仕事を進められると、きっと仕事も楽しくなるはずです。