社内で年に数回は開催される「歓迎会」や「送別会」。
こういった行事は、総務が業務の一環として取り仕切る企業もありますが、多くの場合、部署単位で実施され、新人や退職者との間柄が近しい人が幹事を任されることがほとんどです。
そんな幹事のお仕事。もしかして、お店を予約して、案内をするだけで十分だと思っていませんか?
幹事の仕事は奥が深く、周りから労いの言葉をかけられたり、感謝されたりする幹事は、根回し上手な人が多いのです。
歓送迎会が、参加者の思い出に残るか残らないかは、まさに、幹事次第。
今回は、歓送迎会の幹事に任命された人は必見、主役や参加者から感謝される幹事の心得についてご紹介します。
誰もが一度は出会ったことのある、がっかり幹事8選
幹事は、やることが多岐にわたるため、業務の繁忙期と重なってしまうと、どこか抜け漏れが出てしまいます。
ここでは、そんながっかり幹事の失敗体験を紹介します。
1.お店との連携が取れていなかった
お店に、最終確定人数を伝え漏れてしまうのは、よくある失敗談。どんなにリマインドを心がけても、業務都合や体調不良など、突然参加できなくなってしまう人はいます。
最終人数をお店に知らせるのを忘れてしまい、当日、参加者を大幅に超える料理代金を請求されたケースや、予約をしたつもりが、お店から予約と認識されていなかったというケースもあります。
2.参加人数が集まらなかった
歓送迎会の時期によっては、繁忙期と重なってしまい、参加人数が集まらないこともあります。誰にも参加してもらえない歓送迎会は、主役にとっても寂しい会になってしまいますよね。
開催日程は、お店予約の観点からも、最短でも2週間後に設定するのがベター。余裕があった方が、参加者も業務の調整がしやすく、参加してもらいやすくなります。
3.歓送迎会の案内メールの情報が間違っていた
誤字脱字や抜け漏れなど、しっかりチェックしてからメール送信しないと、曜日が間違っていたり、お店の情報が載っていなかったりと、案内メールを送り直すことになります。
4.幹事自身が、酔いつぶれてしまった
幹事はその会を取り仕切らなければなりません。上席者も参加しているとなると、余計、緊張してしまうものです。
また、親しい人を見送る送別会では、話に花が咲いてしまい、つい飲みすぎてしまうということもあります。
5.余興が多すぎて、会話ができない
主役に楽しんでもらおうと、余興を企画する人も多いのではないでしょうか。
しかし、余興を盛り込みすぎてしまうと、鑑賞会で終わってしまいます。
6.乾杯の挨拶などを上席者に無茶ぶりする
乾杯や閉会の挨拶は、事前にお願いしておくものです。上席者の立場からしても、話がグダグダにならないよう、事前準備をして臨みたいところ。
そんな重要な場面となる挨拶を、当日依頼されると、中には恥をかかされたと思ってしまう人もいます。
また、誰にお願いするかで失敗するケースもあります。一番上の上席者にお願いすべきところ、二番目の上席者に依頼してしまったなど、役職者への振る舞いを誤ると、仕事にも影響が出かねません。
7.2次会の予約をしておらず、2次会難民になる
開始時間が早かったり、1次会が盛り上がったりした時には、2次会に行く流れがお決まりパターンではないでしょうか。
そんな時、ある程度2次会の目星をつけていないと、参加者たちを外に待たせてしまうことになります。
確実に2次会に行くことが分かっている場合は、事前に予約しておくのも良いですよね。
8.会計時、お金が足りなかった
主役の代金を参加者費用に含んでいなかったり、プレゼントのお花代を予算の中に入れ忘れたり、そもそも計算の仕方がおかしかったりして、お会計時にお金が足りなくなるケースがあります。
マイナスにならないように、エクセルなどのツールで管理したいところです。
できる幹事はここが違う!周りから感謝される根回しポイント
優秀な幹事は、色々な立場に立って、あらゆる事態を想定します。歓送迎会を成功に収めるためには、主役や参加者、お店への根回しは必須です。
ここでは、幹事のお仕事の流れにそって、根回しのポイントを紹介していきます。
主役の日程の確保
当たり前ですが、主役がいなければ、何も始まりません。間違っても、主役がいない歓送迎会だけは開催しないでくださいね!
上席者への配慮
公式な会であればあるほど、上席者にもなるべく参加してもらいましょう。例え参加できなくても、声をかけておくだけで、相手の気分も違います。
できれば出欠確認のメールの前に、個別に共有しておけると良いでしょう。
会場となるお店選び
お店選びが、歓送迎会の命運を分けるといっても過言ではありません。お店にも、必ず会の趣旨を伝えて、問題がなさそうか確認しておきます。
もしかすると、お店の方から、「騒がしくて会話しにくい」「席が狭い」など、教えてもらえるかもしれません。
毎回、会社でお決まりのお店がある場合は良いのですが、新しくお店を探す際は、
次のポイントを意識します。
- 会社からなるべく近いお店
- 誰もが見つけやすい場所
- テーブル席
- 落ち着いてゆっくり話せる雰囲気の店内
- コース(飲み放題)がある
- 料理がおいしそう、ボリュームがある
やむを得ず、会社から遠くなったり、お座敷になってしまった場合は、案内メールに断りを入れておきます。パンプスやスカートの人に配慮しましょう。
コース料理の予約
料理は、事前に予算が確定できる、コースで予約しましょう。
アラカルトは、各々が注文する手間もありますし、お店が混んでいると、料理が出てくるまでに時間がかかります。
また、思った以上に予算オーバーしてしまうこともありますし、お酒を飲まない人にとっては、アラカルトでの割り勘は不満要素になるかもしれないのでおすすめできません。
出欠確認の時点から、コースを予約する旨を伝えておきましょう。当日、単品注文をしてしまう自由な参加者がいるかもしれません。
出欠確認メール、催促メール
歓送迎会の案内メールも、ビジネスメールと同様です。5W3Hの観点から、伝わりやすく簡潔な文章を心がけましょう。
- When: いつ
- Where: どこで
- Who: だれが
- What なにを
- Why: なぜ
- How: どのように
- How much: いくらで
- How many: どのくらい(参加規模)
出欠確認メールには回答期限も入れておき、回答期限が過ぎたら、未回答者に催促メールをします。
なお、出欠確認は、集計がしやすいように、メールの投票機能などを使って効率良く進めましょう。
出欠回答がなかなか集まらないと、ついイライラしてしまいますが、できるだけ多くの人に参加してもらえるような接し方を心がけましょう。
会のプログラム構成を考えておく
歓送迎会の基本的な流れとしては、
- 開会の挨拶(幹事)
- 乾杯の挨拶
- 歓談
- 主役から挨拶
- 締めの挨拶
- 閉会の挨拶(幹事)
となりますが、参加者の状況や会の目的に応じて、アレンジします。
参加者が、歓迎される主役をよく知らない場合、冒頭の方に「主役の自己紹介」を設けると、新人と参加者の距離がぐっと近くなります。
余興をやるなら、2つまで!余興のオンパレードにしない
余興は場を盛り上げます。会場を貸し切っての歓迎会では、新人さんに関するクイズなどを企画するのも面白いですよね。
ただし、余興を盛り込む場合は、時間配分に気をつけます。主役が参加してくれた全員と話せる工夫をしましょう。
上席者への挨拶の依頼
上席者の出席状況が見えてきたところで、乾杯や締めの挨拶を依頼します。「誰にお願いするか」ですが、基本的には、
- 乾杯は一番上の上席者
- 締めは二番目の上席者
です。ただし、送別会では、直属の上司から言葉を贈ってもらった方がその場にふさわしい時もあります。
歓送迎会は社内行事でもあるので、上席者への配慮は大切です。器が小さいと思うかもしれませんが、上席者の中には、挨拶の順番を気にする人もいます。
当日になって、声をかけられずに「このメンバーなら挨拶は、俺でしょ?」と、思っている上席者がいないような状態を作りましょう!
場合によっては、挨拶をお願いできない上席者に、一言伝えておくのも一つです。
送別品の準備
送別会で、拍手だけで見送るというのは、ちょっと寂しい印象があります。是非、お世話になった感謝の意味も込めて、プレゼントの準備をしましょう。
関係各所へのリマインド
歓送迎会の事前連絡は、必須です。中には、業務に追われてすっかり忘れてしまっている人もいます。次の連絡は、遅くとも前日までに済ませておきましょう。
- 参加者へのリマインド(メール)
- 主役へのリマインド(メール)
- お店への最終人数の連絡
- 乾杯、締めの挨拶を担当する人へのリマインド(メール)
当日の参加者欠席の場合についても、リマインドメールの中でふれておきましょう。
乾杯や、最後の閉会の挨拶をお願いしている上席者には、どのタイミングで声をかけるか、所要時間なども、伝えておきましょう。
会場には、一番早く到着する
幹事は、お店との意識合わせや参加者の席への誘導があるので、誰よりも先に会場に到着しておく必要があります。
参加費の集金は事前に済ませる
参加人数が大勢であればあるほど、集金も時間がかかります。お酒が入ると注意散漫になりますので、遅くとも、会が始まる前までには、参加者から参加費を集めておきましょう。
当日の進行・挨拶は、あまり冗長にならないように注意
当日の司会進行役も、幹事の仕事です。事務的に淡々と進めるのも、逆に味があって良いかもしれませんが、司会の話は長くならないように気をつけましょう。
歓送迎会の翌日も、主役や参加者への配慮も忘れずに
会の翌日も、幹事のお仕事は続きます。
主役には「昨日はお疲れ様でした」、参加者には「昨日はありがとうございました」など、幹事は、自分から積極的に挨拶をしましょう。
社会人経験が浅い新人には、参加者へのお礼を促します。お礼はメールでもOKです。新人が一日も早く職場に馴染めるように、一役買いましょう。
幹事を任されたら、段取り力と調整力をアピールするチャンス!
幹事は、正直、面倒な仕事です。当日は、楽しむ余裕もありません。
でも、幹事の仕事が出来るようになると、色々な立場から物事を考えられるようになるので、想像力も高まり、仕事にも生かせるようになってきます。
会社行事には上席者も参加するので、自分の株を上げるチャンスにもなります。幹事をやるからには、みんなに喜んでもらいながら、自分の明日の糧になる仕事をしたいですよね。
事前に綿密な計画を立て、不測の事態を想定し、参加者を巻き込んでいける幹事を目指しましょう!