ふとお尻を触った時に冷たい!と感じたことはありませんか。
中には「いつもこうだから」、「お尻は冷たいもの」と割り切って、そのまま放置している方もいるかもしれませんね。
ですが、お尻は内臓を循環する血液量を増やす働きがあるため、冷えを見逃してはならない部位なんですよ。
加えて、お尻が冷えると体に様々な不調を及ぼすため、一刻も早い対処が必要なんです。
そこで、今回はお尻が冷えてしまう原因とその解消法についてご紹介します。
なぜお尻は冷たくなるの?お尻が冷えてしまう原因とは
手足の冷えは意識することがあってもお尻の冷えはあまり意識したことがないという方も多いのではないでしょうか。
解消法について知る前に、まずはお尻が冷えてしまう原因について見ていきましょう。
血行不良
手や足と違ってお尻は動かすことがあまりないため、元々、血行は悪くなりがちな傾向にあります。
また、お尻は毛細血管が多く集まっているので、血管が細かい分、血行は悪くなりやすいんです。
さらに、デスクワーク等で座っている状態の時はお尻に体重がかかるため、自然とお尻は圧迫される状態となります。
圧迫されている状態が続けば余計に血行やリンパの流れが悪くなってしまうのです。
脂肪の多さ
脂肪は寒さから体を守る働きを持っていますが、一度冷えたら温まりにくいという特徴をも併せ待っています。
そうでなくても女性の体は元々、子宮を守るために、お尻に脂肪が付きやすい構造となっています。
そのため、運動不足などによりお尻の筋肉が動かさない人や元々の脂肪が多い人はさらにお尻に脂肪が付いて、余計に冷えやすくなる、という悪循環に陥ってしまうのです。
骨盤のずれ
骨盤がずれると体の不調やお尻の冷えの原因である血行不良を引き起こすとされています。
- 足を組む
- 片方の手で荷物を持つ
- 片方に重心をかけて立つ
- うつぶせ寝、横向き寝をする
- 電話をする際、顔と肩で支える
- 合わない靴を履く
など、日々のちょっとしたことで骨盤はずれやすくなります。
また、生理や出産などでも骨盤はずれやすくなるため、特に女性は注意が必要です。
体が冷える食品をよく食べている
食品には体を温めるもの、反対に体を冷やすものがあります。体を冷やす食品ばかり食べていては当然、お尻も冷えます。
体を冷やす代表的な食品は以下の通りです。自分はこれらの食品を食べ過ぎていないかチェックしてみて下さい。
- 穀物・豆類:白いパン、そば、小麦、はと麦、緑豆、豆腐など
- 野菜・きのこ類:きゅうり、苦瓜、かいわれ、こんにゃく、しめじ、大根、トマト、なす、ほうれん草、小松菜、キャベツ、レタス、アスパラガスなど
- 果物:柿、キウイ、バナナ、パイン、すいか、梨、苺、マンゴー、パパイヤ、メロン、レモンなど
- 肉:馬肉、すっぽんなど
- 海藻・魚介類:わかめ、あさり、うなぎ、かに、しじみ、はまぐりなど
- 調味料・香辛料:白砂糖、バター、オイスターソース、トウチなど
- 飲料:コーヒー、緑茶、牛乳、ビールなど
これらの食品をよく摂取している人は知らず知らずのうちに冷えを招いている可能性があります。
慢性的なストレス
ストレスによる血行不良も要注意ですね。
特にストレスが慢性的になっている場合、常にストレスにさらされている状態なので、血行も悪い状態が続いているということになります。
結果としてお尻が冷たくなる原因に繋がってしまうのです。
今日から取り入れたい、お尻が冷たいときの解消法
お尻の冷えは放置していると以下のような体の不調を引き起こすことが分かっています。
- 下半身太り
- 生理痛が酷くなる
- 妊娠しにくくなる
- 基礎代謝が下がる
- むくみやすくなる
- セルライト
- 内臓が冷える
- 腰痛
このように、体には良くないことばかり!そのため、これらの症状を改善するには一刻も早いお尻の冷えの対策が必要です。
お尻を温かくするために、ぜひ取り入れて欲しいことをいくつかご紹介していきますね。
簡単な運動を取り入れる
内臓の冷えや体に脂肪が付く原因は運動不足です。血行を良くするためにも、日頃運動不足になっている方は運動を取り入れましょう。
あまり時間が取れなかったり、運動が苦手な方でもハードなものを行う必要はありません。
- デスクワークの方は1時間に1回は姿勢を変える
- 歩くのを早くする
- エレベーターやエスカレーターを使わず、なるべく階段を利用する
などは普段から取り入れやすいのでおススメです。
ウォーキングをする
軽い運動では物足りない、本格的な運動をしたい方におススメなのがウォーキングです。お尻の周りの筋肉を鍛えられるので冷えの改善に有効ですよ。
効果を高めるためには歩きやすい靴、動きやすい服を着用し、広めの歩幅で普段より早いスピードで歩くようにして下さい。
さらに、以下のポイントを押さえてウォーキングをするとより効果が高まります。
- 背筋を伸ばす
- 腕を振る
- かかとから着地する
- 太ももや骨盤を動かすことを意識する
普段からなるべく歩くことを心掛けていきましょう。
踏み台昇降をする
なかなかウォーキングをする機会がない方やウォーキングが苦手な方は踏み台昇降運動を取り入れてみましょう。
屋内で出来るので、音楽を聴いたり、テレビを見ながら手軽に運動を取り入れられます。
やり方は10~30cmの高さのステップになるものを用意して、一段上がって一段降りる、を繰り返すだけです。
体がだんだん温まってお尻や太ももなどの下半身を鍛えることが出来ます。
ストレッチをする
お尻の冷えを解消するにはストレッチを行うのも効果的です。簡単に出来る2つのストレッチをご紹介しますね。
かかとキックのやり方
- うつぶせに寝ます。
- 両足の膝を曲げ、かかとでお尻をポンポンと蹴ります。
- かかとが届かない場合は手を握りこぶしにしてお尻を軽く叩いてください。
お尻のコリがほぐれるので、冷えはもちろん、生理痛や腰痛も軽くなります。
足組みストレッチのやり方
- 椅子に座ります。
- 片方の足首をもう片方の足の太ももに乗せます。
- その状態で前に屈みます。
- 反対も同じようにします。
マッサージをする
マッサージで下半身全体の血行を促進し、温めるのもおススメです。
忙しくても出来る、ながらマッサージをいくつかピックアップしてご紹介しますね。
ゴルフボールや青竹を踏んで足の裏の血行を促したり、ふくらはぎの筋肉をマッサージグッズを用いて下から上へと押し上げます。
また、お尻マッサージでお尻を直接マッサージするのも冷えを改善出来ますよ。
お尻マッサージのやり方
- お尻を両手で掴んで離します。がしっと掴むのがコツです。
- 何回か繰り返すと次第にお尻がポカポカしてきます。
湯船に浸かる
忙しかったり、面倒に感じてシャワーだけで済ます方もいるかと思いますが、体の芯まで温まるには湯船にしっかりと浸かることが大切です。
また、体を温めるだけでなく、リラックス効果もあるので、日頃のストレス解消にも繋がりますよ。
この時、熱いお湯にさっと浸かるよりも38~40℃の少しぬるめのお湯に20分以上浸かる方が体は温まります。
より体を温めたい場合は入浴剤を使っても良いですね。その日の気分によって好みのものに変えられるので、楽しいバスタイムを送ることが出来ます。
特に炭酸ガス系の入浴剤には血管拡張効果があるので、冷えに悩んでいる方にはぜひ使って欲しい入浴剤です。
外から温める
温感アイテムを使って体を温めるのも効果的です。自分に合うアイテムを見つけて脱・冷えに取り組みましょう。
- 湯たんぽ
- 体を外から温めてくれる代表的なアイテムに湯たんぽがありますね。従来のお湯を入れるタイプの他にも、近年はレンジを使うタイプ、充電式タイプ、持ち運びサイズタイプ、お尻用の座るタイプなどが登場しているので、より便利なアイテムとなっています。可愛いデザインのものも多いので、使うたびに気分が明るくなります。夜、寝ている間は特にお尻の筋肉を使わないので、冷えやすい時間帯。寝る前にあらかじめ、お尻が当たる位置に湯たんぽを置いて布団を温めておくと良いでしょう。温まりますし、心地よく眠りに付くことが出来ます。
- カイロ
- お尻用のカイロも販売されているので、お尻を直接温めたい方はそちらを使うのがおススメです。スタンダードなカイロを使う場合はお尻の割れ目が始まる付近にある出っ張った骨、仙骨と呼ばれる骨辺りに貼るようにしましょうお尻と同時に体全体までじんわりと温かさが伝わります。ショーツの上から貼ると熱すぎて低温やけどを起こしてしまうので、スパッツやレギンス、タイツの上から貼ると良いですよ。この方法は生理痛がひどい時にも効果的です。
また、手軽に出来る温め法として、お尻ポケットにポケットカイロを入れる方法があります。お尻の冷えを感じたらすぐに温められ、大変便利です。
- レッグウォーマー
- 下半身の温めに適しているのがレッグウォーマーです。レッグウォーマーと一言に言っても長さに違いがあるので、冷えが酷い人は長めのものを着用しましょう。また、保温効果の高いものを使えばそれだけ温まりやすくなります。
- 冷え取り靴下
- レッグウォーマー同様、下半身の冷えに有効なアイテムに冷え取り靴下があります。お尻が冷える人は足先も冷えている場合が多いので、冷え取り靴下で足元から温めてあげましょう。冷えを解消するだけでなく、むくみや不眠にも効きますよ。
- 着ぐるみ系の部屋着
- 体の温めとは無関係に感じる着ぐるみ系の部屋着ですが、着ることで体全体を温める効果があります。キャラクターものなどあるので、好きな方はそれを使っても良いですね。また、フード付きのものの方が頭まで温められます。
タバコをやめる
たばこには血流を悪くしてしまう効果があるため、冷えを招きやすくなります。喫煙者の方はたばこは控えるようにしましょう。
ストレスを溜めこまない
ストレスは自律神経のバランスを崩し、血流を悪くしてしまいます。
本当はストレスのない生活を送れるのが望ましいですが、日々の中で、ストレスを溜めずに過ごすことは難しいので、溜まってしまっても上手に発散するようにしましょう。
- 趣味の時間を作る
- カラオケに行く
- ゆっくり湯船に浸かる
- 運動をする
- 親しい人に話を聞いてもらう
など、自分に合った方法でなるべく発散することを心掛けて下さい。
夏場は冷え対策をしっかり行う
冬に起きやすいと思われがちな冷えですが、実は夏こそ冷えに気を付けたい時期でもあります。
夏はクーラーを使用しますから、その分効きすぎに気を付けなければなりません。
クーラーの効いた部屋に長時間いる場合は
- ひざかけを使う
- 腹巻を着用する
- レッグウォーマーを着用する
- 温かい飲み物を飲む
などして、下半身を極力冷やさないよう努めましょう。
体を温める効果のある食材を積極的に摂る
体が冷える食材があれば反対に体を温める食材もあります。お尻が冷えやすい人はこれらの食材を積極的に摂取するようにしましょう。
特に以下の食材が効果的です。
- 秋や冬が旬の根菜類
- 生姜
- 唐辛子
- にんにく
- ネギ
冬に食べる鍋などは根菜類などを取り入れやすくおススメです。
漢方薬・サプリメントを服用する
お尻の冷えの改善に効果的な方法として漢方薬やサプリメントを服用するという方法もあります。
お尻が冷える人にぜひ取り入れて欲しい漢方が当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)。
この漢方は冷え症の中でも末端冷え性に特に効果的な漢方薬なので、お尻の冷えと同時に手足も冷えやすい人にぜひ服用して欲しい漢方薬です。
ドラッグストアやクリニックでも処方してくれるので、手に入れやすいと思います。
また、プラセンタサプリには冷え症やそれに伴う生理痛を改善する効果があります。
シミやしわの予防・改善など、美容面でも高い効果があるとしてよく知られているので、お尻の冷えの他にも美容面でも悩みがある方は取り入れてみても良いかもしれません。
服装に気を付ける
普段、オシャレでミニスカートやローライズのパンツなどを履いている方も多いかと思います。
ですが、冷え対策としてはこれらは腰回りを冷やしやすいため、出来れば避けた方が良いでしょう。
保温効果のある下着を選ぶ
お尻が直接触れることになる下着。この下着を変えるだけでもお尻の冷えを改善出来ます。
秋冬になると保温効果のあるヒート○○という名称の下着が販売されています。シャツが有名ですが、実はショーツまで展開されています。
冷えが気になる人はこのショーツタイプを着用するだけでもお尻をぽかぽかと温めることが出来ますよ。下着ですから直接身に付けるので、効果は抜群です。
下着はどうしてもデザイン重視で素材や履き心地を無視しがちな傾向にありますが、冷え対策には素材や履き心地にも気を配ることが大切です。
また、締め付けの強い下着は血行を悪くする原因になりますから、下着選びの際はきつすぎないものを選ぶようにしましょう。
毎日使うものだからこそ、下着の選び方にもこだわってみましょう。
お尻が温まれば体の様々な悩みを改善することが出来る!
見落としがちなお尻の冷えですが、改善するだけで体には嬉しいことがたくさんあります。
そのため、お尻が冷えていても放置せずにしっかりと向き合って改善していきましょう。
体の不調を感じている方はお尻が冷えていないか、ぜひ確認してみてください。
手や足だけでなく、今日からお尻の温活も始めていきましょう。